この試合の前日、ホッフェンハイム:バイエルンミュンヘンの試合でバイエルンのウルトラSCHICKERIA MÜNCHENを中心としたウルトラグループからホッフェンハイムの実質的オーナー、SAPの会長であるディトマールホップ氏とDFBに向けた抗議の横断幕、ゲートフラッグが掲げられた。
そこにはホップ氏の顔にターゲットを書き、横断幕にはHURENSOHN(糞野郎、売春婦の息子)と書かれていた。
この抗議はホップ氏に向けたものだけではない。DFBに対するものも含まれている。
DFBはレッドブルやホップ氏など、投資家の顔色をうかがうようなリーグ運営を近年続けている。
ブンデスリーガの根底にある50+1のルール(一個人が49%を超えて株式を取得してはならない、)を破ってクラブを買収し1部上位まで上り詰めたこの2クラブには根強い反対がある。
これに先立ち昨年の試合でBVBのファンが同じ行動をした際にDFBより集団懲罰として3年間のホッフェンハイムでのアウェーブロック閉鎖、その試合の後から一定期間におけるフラッグ、ゲートフラッグ、発煙筒の禁止が言い渡された。
私も観戦した2月4日のブレーメン:BVBの試合でもドルトムントのアウェーブロックには旗がなく何かつまらないものに見えていた。
つまりは集団懲罰を受けさせたのだ。ここでこの2クラブを除いたウルトラの不満が爆発した。
このクラブとは正反対の性格を持った1.FCウニオンベルリン。会長はファンから選ばれ(月10ユーロのメンバーには選挙権が与えられる)、スタジアムもファンが手作り、
鉄の意志を持ったファンたちが集う。
ウニオン先制ゴールと同時にゴール裏からは”2017年、集団懲罰の廃止にホップが反対の声を上げ、2歩後退した DFBのくそったれ”が掲げられた。
これを見た主審が試合を中断。正直この程度の批判幕であれば今までスルーされた来たのに…先日のホッフェンハイム戦で何かが変わったのだろう。おそらくホップ氏から圧力がかかった。
これにウルトラは激怒。選手が事態を収めるためにスタンドへ向かうも解決にはならず。
試合中断は試合中止までの第一レベルであるとDJが告げる。
試合再開から2分後、ホップ氏の顔にターゲット、HURENSOHNの横断幕。
試合は再び中断した。選手はロッカーへ引き上げ、DJから次この件に関しての行動が起こされた場合全員帰宅してもらう、とルール通りのつまらない説明。
すっかり試合は冷め、バックスタンドのファンからはウルトラゾーンに対して帰れのコール。
異様な状態で残りの45分が行われることとなった。
この件に関しては日本でもニュースになっていたが、どうも解釈がかなり薄い気がする。
ブンデスリーガの特性、そもそもクラブの成り立ちから日本とは違うので理解されにくい点が多くあるので仕方ないことだとは思うが、ウルトラ側が悪いという解釈にはなかなかならない。
企業がクラブを設立した、というのはブンデスリーガでは数少ないのだ。ほぼすべてのクラブが街の誇りでありファンと共に作ってきたもので、日本のようにカスタマーとしてのファンではなく横並びで生活を共にするファンなのである。
1.FCウニオンベルリン/1.FC Union Berlin
VfLヴォルフスブルク/VfL Wolfsburg
その他/others
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オンラインショップ
2020年03月01日/01.03.2020
スタジアム/stadium
シュタディオンアンデアアルテンフォレステレイ/Stadion An der alten Föresterei
観客数/attendance
47,000人/47,000
試合結果/result
1.FCウニオンベルリン/1.FC Union Berlin 2-2 VfLヴォルフスブルク/VfL Wolfsburg
チケット/ticket
31ユーロ/31€