『このクラブは15年前には1部リーグでバイエルンやドルトムントと同じリーグで戦っていたんだ。2年間もな。』
プレスの受付を済まし、一息ついているとクラブの職員なのだろうか?声をかけられた。
4年前にもウンターハヒングの試合を観戦した。当時のゲームはアウェイゲームであったが、アウェイスタンドにいたファンは僅か3名程であった。
それからどうもこのクラブの存在が気になっていた。そんな中でウンターハヒングのホームゲームの取材ができるのは何かの縁なのだろうか。
小さな街の小さなクラブ。かつては1部リーグに昇格し、残留も果たした。しかし、小さなクラブの栄光は長く続かず、2部、3部と転がり落ちるように降格していった。
チームの転落と共に街の人々の関心もなくなっていった。
スタンドも例外ではなく、このクラブにはウルトラスが存在しないようだ。正しくいうと存在しなくなった。
バナーも3枚のみ、拡声器も旗も、太鼓はもちろんコレオグラフィも存在しない。
ファンの声援ではなく、選手の声、監督の声、ボールを蹴る音のみが響き渡る。
この日はスタンドのファン一人一人に目を向けてみた。
いいプレイには惜しみない拍手、悪いプレイには檄が飛んだ。思い思いに表現する、そしてそれを伝える。ファンにとって選手達は街のヒーローだ。真剣眼差しで選手達を見つめるファンの姿が印象的だ。
この試合、ウンターハヒングは敗北した。スタンドのファンは拍手するファンとブーイングをするファンの両方に分かれた。
スタンドとピッチの距離が近い。おそらく知り合いが観に来ていたのだろうか。選手がスタンドでがっくりと肩を落とす。
選手の悔しさをファンが共有する。
拍手もブーイングもどちらが正しいなんて議論は不毛だ。選手もファンも悔しい。
勝っても負けても同じアクションというのはここドイツには存在しない。
勝利には勝利の、敗北には敗北に対するアクションがあり、選手とファンが共有している姿が印象的であった。
Spvggウンターハヒンク/Spvgg Unterhaching
FSVマインツ05Ⅱ/FSV Mainz05Ⅱ
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2015年3月10日/10.03.2015
スタジアム/stadium
アルペンバウエルシュポルトパルク/Alpenbauer Sportpark
観客数/attendance
1,200人/1.200
試合結果/result
Spvggウンターハヒンク/Spvgg Unterhaching 1 – 2 FSVマインツ05Ⅱ/FSV Mainz05Ⅱ
チケット/ticket
メディアパス/media pass