今シーズンのハイライトゲームになるかもしれないと言われたこの試合、どちらも残留争いを繰り広げているヘルタBSCとSCパダーボルン。
かつては優勝も経験し、数年前までは上位争いをしていたヘルタも近年は昇格と降格を繰り返し、すっかりエレベータークラブとして定着してしまった。
一方、SCパダーボルンは昨年クラブ史上初の1部リーグ昇格を決めた。当然のごとく苦戦が予想されていたが、前半戦は下馬評を覆し、中位に留まり健闘。しかし、後半戦では勝ちに見放される場面が目立ち、現在5試合連続ノーゴールと不振を極める。
どちらのクラブも多くのミスが目立ち、ヘルタ寄りのカメラマンからはため息が漏れ出していた。
しかしこういう残留争いの試合は経験値のあるクラブが何らかの形で勝利を手にする事が多い。それは伝統なのか、何かミエナイチカラが働くのか定かではないが、この試合ではスタンドのヘルタファン全員がファールをを求め、スタジアムの雰囲気が一変した。審判も堪らず笛を吹く。『スタンドと一体となり』獲得したフリーキックのこぼれ球を押し込みヘルタが先制。その後、追加点を決め、終わってみれば危なげなく勝利を手にした。
この試合でもゴールを奪えなかったSCパダーボルンはノーゴールの連続試合記録は6に伸びた。前半戦でパダーボルンに敗れていたヘルタは見事ホームベルリンで前半戦の雪辱を果たす、パダーボルンの選手とファンへ”2.Liga”の大合唱も添えて。
ドイツでは2部リーグに落ちそうなクラブに対しては容赦なく『2部リーグ!2部リーグ!』のコールが浴びせられる。それは紛れもない事実。そう言われたくなければ、やはり勝利を重ねるしか方法はない。
対照的に、昇格するクラブは『NIE MEHR 2.LIGA』(2部には戻りたくない)とコールをする。
降格したいクラブなど存在しないが、年間に最低でも2クラブは降格する事になる。『2部リーグ』コール浴びせられたファンは最低1年間は我慢するしかない。そして試合でやり返すしかない。
やられたら、やり返す。相手に対するスパイスの効いた煽りはフットボールの一部だ。2部リーグに行くクラブに、2部リーグと言って何が悪いのだろうか。
この日は、いつもならすぐに捌けてしまうバックスタンドやメインスタンドのファンがいつまでも残って、勝利の余韻に浸っていた。いつまでも喜び、これまでドイツではほとんどなかった『写真を撮れ』とのリクエストもこの日は多かった。それだけこの日の勝利は格別なのだろうか。
ベルリン・オリンピアシュタディオンに足を踏み入れる事ができて非常に光栄だった。
歴史的建造物であり06年ワールドカップ決勝の舞台、
そして今年はCL決勝の舞台として再度注目を浴びる事になるだろうが、
ここは『ヘルタBSC』のホームグラウンド。
Nur nach Hause, nur nach Hause, nur nach Hause gehn wir nicht.
ヘルタBSC/Hertha BSC
カールスルーエのウルトラ(Wild Boys)に対しての祝福のバナー。
※ヘルタファンとカールスルーエファンの間にはフレンドシップ(友好関係)があり、共同でコレオをしたり、互いにメッセージを送り合ったりしている。これはオフィシャルも公認の友好関係となっている。
SCパダーボルン/SC Paderborn
その他/others
同じベルリンのライバル「ウニオンベルリン」のファンがステッカーをバシバシ貼っていきました(笑)
ベルリンの夕暮れは美しい‥。
youtube
選手入場。
ホーム得点シーン。(クラブによって異なります)
DJ「選手名○○」
ファン「選手名○○」
DJ「ヘルタBSC?」(大きな声で)
ファン「1(得点数)」
DJ「パダーボルン?」(かなり控えめな声で)
ファン「0(いつもゼロ)」
これがすごい好きです。
ドイツでは勝利したり、大方勝利が決まった場合には「Sieg!」(勝利)とコールするのがお決まり。相手ファンは黙っているし、シンプルなのでスタジアム全体でコールをする。これが本当に雰囲気あるんだよな~。
2015年4月5日/05.04.2015
スタジアム/stadium
オリンピアシュタディオン/Olympiastadion
観客数/attendance
44,031人/44.031
試合結果/result
ヘルタBSC/Hertha BSC 2-0 SCパダーボルン/SC Paderborn
チケット/ticket
メディアパス/media pass