walk on walk on with hope in your hearts…(歩き続けよう 希望を胸に)
1-2でファーストレグを落としたドルトムントはホームで迎えるセカンドレグでは勝利するしかない。ドルトムントファンはそんな選手達の気持ちに応えるべく、最高の舞台を整えた。
今夜のコレオグラフィは黄色と黒のストライプに『97』、そしてビッグイヤーを掲げる選手とファンがモチーフだ。
『97』はドルトムントファンを語る上で外す事ができない数字だ。96-97シーズンのチャンピオンズリーグ決勝でユヴェントスを破り、初の欧州王者に輝いたシーズンを象徴するものだ。
チャンピオンズリーグアンセムが流れ、6万人のドルトムントファンが歌うyou`ll never walk alone、舞台は整った。ここは一週間前のミュンヘンとは全く違った光景が広がっていた。スタンドには情熱、愛情、相手への憎悪、勝利への執着心、フットボールに必要なすべてが揃っていた。
しかし、最高の雰囲気は試合開始僅か3分後、カルロス・テヴェスの一撃が終焉を告げた。終わってみれば3失点。
3点目の瞬間、席を立つファンも少なくない。それも一つの答えである。今日はゲームオーバーだ、いや今年のBVB自体がゲームオーバーなのかもしれない。
それでも、ゴール裏のウルトラゾーンはただただ歌い続ける。マフラーを掲げ、旗を振り続け、クラブを愛する歌詞の入ったチャントを続ける。それが彼らの責任なのだ。そう、ピッチ上で残り時間を終わらせなければならない選手と同じなのだ。
彼らは太鼓を叩き、拡声器を持ち、旗を振り、周りを煽る。彼らにはそれだけの責任があるのだ。
もう答えは出ている、そんなことは誰もがわかっているがそんな理屈ではないのだ。サポートし、共に歩むとはBVBのウルトラにとってはそれが責任。彼らには様々なイベントを考え実行できる自由と、クラブと共に歩む責任があるのだ。
試合後、彼らは選手をどのような気持ちで迎えたのだろうか。悔しさのあまり怒り散らしているファンもいる、それは当然だ。悔しいはずだ。中には拍手をするファンもいる。それも当然だ、選手は最後まで戦ったのだから。無様だが無様だと認めてはいけないのだ。選手と歩むと決めたなら。
人間にはそれぞれ感情がある、時には感情がぶつかり合う時もある。やはり勝っても負けても同じではない。
帰り道にはビール瓶や空き缶を蹴りながら帰る人が多かった。ホームでの惨敗、やり場のない怒りと悔しさがスタジアムを後にしてから蘇る。
それでもファンは一度愛したクラブを変える事ができない。また週末になればスタジアムへと駆けつけるだろう。
ボルシアドルトムント/Ballspielverein Borussia 09 e. V. Dortmund
CLは立ち見席が禁止なので開催時にイスを取り付ける。
97は96-97シーズンにCL制覇を成し遂げたことに由来。相手は今日と同じユベントス。
ユベントス/Juventus
その他/others
煌々と輝くスタジアム。周りが暗いからより映える。
scheisse04(シャイセ04)はライバル「シャルケ04」の蔑称。scheisseは英語でいうFワードに相当する汚い言葉。
96-97シーズンの再現ならず。
youtube
2015年3月18日/18.03.2015
スタジアム/stadium
シグナルイドゥナパルク/Signal-Iduna-Park
ヴェストファーレンシュタディオン/Westfahlen Stadion
観客数/attendance
65,851人/65.851
試合結果/result
ボルシアドルトムント/Ballspielverein Borussia 09 e. V. Dortmund 0 – 3 ユベントス/Juventus
チケット/ticket
20ユーロ/20Euro