ウニオンベルリンのホームスタジアム『シュタディオン・アン・デア・アルテン・フェルステライ』。
このスタジアムはファン達が自ら作り上げた。作業着を着て、煉瓦を積み重ね、スコップを持ち、スタジアムを作り上げた。スタジアム建設に関わった者(現場、そして経済的支援も含め)の名が今でも刻まれている。(写真2枚目)
ウニオンベルリンのクラブスローガンである『EISERN UNION』(鉄のウニオン)はそんなスタジアムの歴史をも象徴している。その歴史はユースの選手達にも脈々と受け継がれている。ユースの選手達もトップチームの選手の練習を見学しながらクラブアンセムを歌っているのだ。
この日はウニオンのファンはコレオグラフィを披露した。そしてこのスタジアムの雰囲気は本当に素晴らしい。320°がウニオンファンで埋まり、その声は屋根に反響し、スタジアムに響き渡る。ファンは皆、ウニオンベルリンが好きで好きでたまらない表情である。
それにこのクラブはとてもフレンドリーだ。ダルムシュタッドで出会ったクラブ専属のフォトであるトビーは全ての場所に案内してくれこの名も知れない日本人をクラブの全員に紹介してくれた。スタジアムDJも選手紹介のタイミングで私に握手を求めてくれてenjoy!の言葉を投げかけてくれた。広報のアンドレアスはいつでも来てくれ、お金が許す限りとジョークを飛ばし歓迎してくれる。ウルトラの人間は後日ポーランドへ行く予定の私を案内してくれるという。フレンドリー、このクラブの色だろう。
対するのはFCザンクトパウリ。彼らもまたブンデスリーガにおいてアンタッチャブルな存在であり、日本ではもうおなじみのクラブ。この日は下位に沈むクラブに対する抗議の意を示す。シーズン終了まで2ヶ月。ザンクトパウリは3部リーグへの降格圏内に沈んでいる。
『俺達のザンクトパウリはこんなもんじゃねぇだろ』
ファンの抗議の原点には、クラブに対する熱い想いがある。
試合中は四方八方から、鼓舞する声援もあれば、辛辣なヤジも飛び交う。声援で足が前に進むのは事実、そしてヤジでも選手のプレーが微妙に狂ってしまう事もある。そんなフットボールの原点を感じた試合だ。
ユースの選手達が歌っていた歌の歌詞には
『ウニオンがドイツ王者になる日まで』
との一節がある。
スタジアムの歴史、クラブの歴史が刻まれる中で、彼らは未だにブンデスリーガ1部を経験していない。しかし、近い将来1部リーグへ上がる日が来るだろう。
1.FCウニオンベルリン/1.FC Union Berlin
FCザンクトパウリ/FC St.Pauli
その他/others
youtube
2015年3月20日/20.03.2015
スタジアム/stadium
シュタディオンアンデアアルテンフェレステレイ/Stadion An der Alten Försterei
観客数/attendance
21,717人/21.717
試合結果/result
1.FCウニオンベルリン/1.FC Union Berlin 1 – 0 FCザンクトパウリ/FC St.Pauli
チケット/ticket
メディアパス/media pass