2015年3月15日FCザンクトガレン – FCバーゼル
この日も霞と火薬のにおいの中、ゲームが始まった。
これで何試合目だろうか、欧州のフットボールには発煙筒(いわゆるpyrotechnic)は欠かせないもののようだ。酒と肴のような関係性なのであろう。
この日は特にバーゼルのファンから感じるものがあった。
バーゼルのファンは今まで観てきたファンとは一線を画す雰囲気であった。なんと形容したら良いか言葉が見つからないが、いわゆる『アブナイ』雰囲気を持っていた。
今日はライバルのザンクトガレンが相手である事もその雰囲気を一層増長させる。
『バーゼルのクソ野郎』
ザンクトガレンのファンスタンドからそんなコールが浴びせられる。
『ザンクトガレンのクソ野郎』
すかさずバーゼルファンが応酬する。
人数は少ないが、バーゼルファンの野太い声が響く。
バーゼルのファンを撮っているとどうも、しきりに目が合う。何かありそうだなと悪い予感がしていたが、その予感は的中した。
バーゼルのファンからビールの洗礼が。この寒い季節に頭からビールをかけられるのは堪える。
その行為は理解しがたいが、行動の真意はわかる。
そのファンはサングラスに目出し帽をかぶっていた。おそらく警察等に常にマークされているのであろう。ヨーロッパのウルトラス文化は奥が深い。写真や動画でわかったつもりでも、実際はもっと奥が深い。であるからこそ、もっと追っていきたいのだ。
ULTRASの定義がアジアと欧州とではだいぶ違っていてあちらでは警察にマークされ続ける存在。だから簡単に顔を撮られてしまっては何もできなくなってしまう。だから忍者パーカーが流行したり、目出し帽をかぶるようULTRAも多い。特に暴れるわけでなくても彼らはマークの対象だ。日本のファンが写真を撮ってSNSに頻繁にアップロードするのは信じられない、と昨日のBVBのファンが言っていた。それが良い悪いの問題ではないのだが、フットボールをサポートすることに対してこちらはかなりシリアスなのだ。
ウルトラスはファッションではない。
ビールの洗礼から教えてもらえた気がした。
FCザンクトガレン/FC St.Gallen
FCバーゼル/FC Basel
その他/others
youtube
2015年3月15日/15.03.2015
スタジアム/stadium
AFGアレナ/AFG Arena
観客数/attendance
17,457人/17,457
試合結果/result
FCザンクトガレン/FC St.Gallen 2 – 2 FCバーゼル/FC Basel
チケット/ticket
メディアパス/media pass